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第5話 神喰いの惟神

مؤلف: 霞花怜
last update تاريخ النشر: 2025-05-30 11:39:17

「瀬田くん、もう目を開けていいですよ」

 化野の声に促されて、目を開く。

 ゆっくりと頭を上げると、目の前にログハウスがあった。

 化野の手が、直桜の腕から離れる。

「これでしばらくは、時間が稼げます」

 車から降りた化野に続く。

 周囲の木々は静かだ。さっきまでの殺伐とした気配は、どこかに消えていた。

 ログハウスの中は、綺麗に整理されていた。

「掛けて待っていてください。飲み物でも淹れます」

 キッチンに立つ化野は、勝手知ったる様子だ。

「ここって、化野の別荘なの?」

「別荘、ですかね。一人になりたい時に使っている場所です。ここは現世から隔離された空間ですから」

 化野が言う「一人になりたい」とは13課の人間の干渉を離れたい、という意味なんだろうと、すぐに理解できた。

 普段からほぼ一人で仕事をしている化野が、わざわざあの事務所を離れる理由はなさそうに思ったからだ。

(前のバディとは、上手くいってなかったのかな。……別に、どうでもいいけど)

 13課は救いになったと話していても、離れたい時もあるんだろうか。

「早速ですが、本題に入ります。あまり時間がありませんので」

「時間、ない
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  • 仄暗い灯が迷子の二人を包むまで   第49話 狂犬と駄犬

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  • 仄暗い灯が迷子の二人を包むまで   第48話 卵焼き

     二週間と伝えられていた訓練期間はあっという間に過ぎて、気が付けば九月になっていた。 警察庁の地下十三階に籠りっきりでいると、時間も日付の感覚も鈍ってくる。 キッチンに立って食事の支度をしている忍の姿と体感的に、今は恐らく朝なんだろう。テーブルに頬杖をついて、朝食を作ってくれる忍の背中を、直桜はぼんやりと眺めていた。「調子はどうだ? 仕上がりは悪くないと思うが。体の変化に脳は順応しているか?」 コーヒーを差し出されて、受け取りながら頷く。

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